南が丘動物通信

膵外分泌機能不全 09年12月22日

膵臓には大きく二つの機能があります。一つはインスリンなどのホルモンを分泌する内分泌機能、そして、もうひとつはトリプシンなどの消化酵素を分泌する外分泌機能です。これらの消化酵素が分泌されなくなった状態を膵外分泌機能不全といいます。消化酵素が欠損すると、食事をうまく消化できず、それゆえ栄養分を吸収できなくなります。つまり、食べた栄養分がそのまま便として排出される状態なため、食べても食べても体に吸収できず、動物は飢餓状態に陥ります。
来院される症状で典型的なものは、「異常なほどよく食べるけど、どんどん痩せていく」ということです。治療は不足している消化酵素を補うことの他に、消化しやすい食事を与えること、また、脂溶性ビタミンの補給などを行います。欲旺盛にもかかわらず体重減少が激しい病気は膵外分泌機能不全の他にも多く存在しますので、以上のような症状がみられた場合、早期に獣医師に相談されることをお勧めいたします。