南が丘動物通信

犬疥癬 09年08月16日

犬穿孔ヒゼンダニというダニの一種によって引き起こされる寄生性の犬の代表的な皮膚病の1つです。
全身の皮膚に寄生いたしますが、耳、肘、踵、四肢、腹部に寄生することが多く見られます。
ダニは皮膚に穴を掘りながら動き回ります。そのダニまた糞や分泌物に対する反応も痒みを引き起こす原因となり、犬の皮膚疾患としては最も痒い皮膚病だといわれております。診断は皮膚をかきとることにより卵やダニを検出することにより診断いたします。穿孔ヒゼンダニは人に感染することもあり飼主さんの腕の内側や腹部などに一過性の丘疹ができ痒みを引き起こすことがあります。
感染は一般的には犬からの伝播がおおいとおもわれますが、野生のタヌキからの感染もふえております。野生動物に対する調査で、タヌキが全身脱毛の疥癬症でたくさん動物病院に運び込まれていることがわかっております。
治療はレボリューション、イベルメクチンなどの塗布薬注射などの他、殺ダニ剤による薬浴が用いられることもあります。
皮膚に明らかな病変が出ないケースやかきとり検査の検出率の低さから、激しい痒みを伴う皮膚病において、試験的治療(駆虫)がおこなわれることもあります。