南が丘動物通信

犬の外耳炎 09年05月10日

犬の外耳炎は日常的に見られる病気の1つです。
ワクチン接種前の健康診断などで発見される事も多くあります。
全ての犬種に起こる可能性がある病気ですが、特に耳が長く、垂れている犬種に多く発生します。
耳の中に湿気が溜まりやすい夏場は特に、マラセチアと呼ばれる真菌(カビ)や細菌感染に注意が必要な時期となります。

犬の外耳炎は非常に様々な原因から起こり得ます。
マラセチアや細菌は、普段から少数は存在していますが、これらが動物の皮膚の状態や
周囲の環境により異常に増殖し、いよいよ悪影響を及ぼす様になります。
慢性的に繰り返す様であれば、皮膚のバリアー機能を低下させる原因となる病気(例えば甲状腺機能低下症など)が根本にあるのではないか、という点も考えなくてはなりません。

治療は耳の洗浄と点耳薬が中心で、早期に発見された場合は経過も良い事が大半です。
しかし、洗浄も一度すれば良いという訳ではなく、中途半端に治療を中断してしまうと、耐性菌(お薬が全く効かない細菌)の温床となり、最悪の場合は耳道を切除しなければならない状況へ進む場合もある、怖い可能性も持っています。

見られる症状としては、
「犬がよく頭をパタパタと振っている」「耳を掻いている」
といったものが多いと思われます。
こういった症状が見られた場合はなるべく早くご来院頂き、キチンとケアをしてあげれば、
決して恐ろしい病気では無いと思われますので、今後は是非、スキンシップの一貫として
時々ワンちゃんの耳の中も観察してあげて下さい。