南が丘動物通信

抗甲状腺薬チアマゾールの副作用で特に注意してほしい白血球減少 22年10月24日

チアマゾールの副作用はいろいろなものがあります。嘔吐、食欲不振、激しい痒みを伴う皮膚病、高窒素血症、肝炎、白血球減少、血小板減少、凝固不全、貧血、甲状腺機能低下症による突然死というものがあります。そのため血球計算、生化学検査、T4値を治療を開始する前、3、5、8週後の検査、その後3か月毎の検査。また別のものでは、3,6,10、20週後、その後3ヶ月毎の検査等いものが示されています。ここのところ白血球減少の症例が続きます。紹介症例も含めて多くの症例で認められましたのでご紹介しておきます。白血球数は計算版を使用して正確な値を検査したものです。200~2,000個/μlになっており発熱、嘔吐、食欲不振の症例がおきることがあります。中には5㎏の症例で1.25μgの1/2錠1日1回1週間、1.25μgの1/2錠を1日2回を2週間というごく少量短期間で白血球が200になり嘔吐下痢発熱で遺伝子組み換えのG-CSFという製剤で事なきをえた症例もいました。2.4.6.8週の血液検査を推奨している文献もあります。多くの動物病院では検査回数が少ないと言う統計がでています。人間でも白血球低下による死亡例が報告されており、2ヵ月を超えるまでは少なくとも2週間に1回の検査を推奨しています。内服療法の際には血液検査が重要であることをぜひ理解していただきたいと思います。S.S

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