南が丘動物通信

ウサギの去勢手術 22年05月05日

ウサギの去勢手術のメリット、デメリットを記載してみました。メリット:(繁殖制限)非常にかわいくて一見温和に見えるウサギではありますが、多頭飼育を行うと生死にかかわるようになくらいの派手な喧嘩をすることも多くお勧めできません。多頭飼いにならいためにも不要な妊娠は避けることは非常に大切なことです。(精神的ストレスの軽減)ウサギは非常に高い繁殖能力をもっており、それゆえ交尾をしないことにより、ストレス状態が続き性格の不安定が生じることがあります。また、尿スプレーのようなマーキング行動で縄張りを主張したり、さらに意識が強くなると飼い主に対して攻撃的になることもあります。(生殖器関連の病気予防)メスは子宮関連の病気により非常に短命になることが分かっています。オスはそれほど頻度は高くありませんが、精巣腫瘍は起きてくるため予防に役立ちます。去勢後は性格が穏やかになる子が多く、尿スプレーは90%以上がなくなります。精神的なストレスから解放するだけでなく、にんげんと一緒に暮らすコンパニオン・アニマルとして好ましい状態に近づきます。デメリット:(麻酔)残念ながら手術には麻酔がつきものです。ウサギは麻酔に弱い動物として知られておりますが近年麻酔薬や技術の向上によりリスクは確実に低くなっています。麻酔関連リスクは1%未満です。(術後の肥満)去勢手術を受けたことにより肥満傾向を示すウサギもいます。体重を計測しフード{ペレット}を減らす、カロリーの少ない牧草に変更する{アルファルファ→チモシー}など工夫をすることで対処できます。

去勢をすることは「自然なこと」ではありません。自然界であれば周りにメスがいて交尾をし、子供を増やすことができます。しかしコンパニオンアニマルとして家族の1員として迎える以上自然でない状況は避けることができず新たなストレスが起きてきます。病気の予防ももちろん重要ですが、問題行動(性格・尿スプレー・マーキング、マウンティング)にお悩みであれば去勢手術もご検討ください。

S.S

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