南が丘動物通信

門脈体循環シャントの手術 20年10月26日

2歳雑種の女の子のワンちゃんで、とくに典型的な症状はなにもなく、避妊手術のための血液検査にて異状が認められご紹介いただいた症例でした。造影CTで、左胃大網静脈を介した門脈ー奇静脈シャントが証明されました。開腹手術中の仮遮断前の門脈造影検査にて門脈枝が確認されGradeⅠに分類されました。幸いなことに完全結紮にて門脈圧も上がらずに手術は終了できました。術後痙攣もなく術後の肝機能検査もすべて良好になりました。CT撮影により確定診断が術前につくようになり、結紮前の門脈造影にてGrade分けができ、門脈圧を計測しながら結紮を行い、術後痙攣をおこさないよう予防的抗痙攣剤の投与をすることにより、以前に比べ門脈体循環シャントの手術の成功率はひじょうに高くなったように思います。手術が怖いから、症状がないからということで手術をためらっておられる方もおられますが是非手術をご検討いただくことをお勧めいたします。写真:C-ARMにより確認した門脈枝です。  S.S

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