南が丘動物通信

ヘビの咬傷 20年05月20日

気温も上昇し、散歩に行きやすいシーズンになってきましたね。フィラリア予防やノミ・ダニ対策はお済みでしょうか?さて、今回はヘビに関するお話です。

ヘビの咬傷は、夏から秋にかけて最も多くなります。日本の主な毒ヘビはマムシ、ヤマカガシ、ハブが挙げられます。犬は未知のものに対して顔を近づけて臭いをかぐので、鼻先や顔面をかまれることが多く、前足への受傷がそれに続きます。犬がヘビの咬傷により死亡することは非常にまれですが、中には死亡する例もあります。ヘビにかまれても、毒液を注入されないことがあり、その場合には、症状はほぼ痛みのみです。毒液を注入された場合は、数十分後にかまれた部分が腫れてきて、時間が経過すると範囲が広がったり、内出血などが起こる場合もあります。

犬のヘビにかまれたときの症状は以下のようなものが挙げられます。

<ヘビの咬傷での症状>

・かまれた場所の痛みでキャンと鳴く、足を挙げるなど

・かまれた部分が腫れる

・腫れたところの皮膚が赤や紫のあざのようになる

・食欲不振

・尿が赤くなる など

重症例では、発熱や嘔吐・下痢、血圧の低下、ショック、呼吸困難、血液の凝固異常などが起こります。腎臓や肝臓に障害が出る例もみられ、重度では、昏睡や死亡することもあります。ヘビの毒液は、血液を溶かしたり、出血を起こしたりするような毒性成分が主です。他には、心臓や神経に影響する毒性成分もあります。症状が軽くなく、血液検査の異常や状態の悪化がみられる場合は、入院して治療を行います。ヘビ毒により、血液を固めて止血する機能の異常(血液凝固異常)が現われ、出血が止まらない例もあるので、必要であれば輸血も行います。

一般的なヘビの咬傷の治療では、以下のようなものが行われます。

・傷口の消毒・処置

・ステロイドの投与

・抗生剤の投与

ヘビにかまれた場合は、できるだけ早く動物病院に行きましょう。

K.G