南が丘動物通信

フライングキャットシンドローム 18年06月17日

猫高所落下症候群、別名フライングキャットシンドローム/ハイライズシンドロームというワードを聞いたことがある方はおられるででょうか。これは、猫が高層マンションから落下する事故が多発したため名づけられました。

猫は運動能力が高く、少々の高さから飛び降りても問題ありません。しかしフライングキャットシンドロームのネコは数十メートルの高さから突然飛び降りてしまうことがあります。そして、症候群と名がつくように一度飛び降りた猫は繰り返し飛び降りてしまうのです。

飛び降りる原因としては「高所に行くと遠近感がつかめずに落下してしまう」「鳥や虫に気を取られて落下してしまう」などが考えられますが、これといった理由は解っていません。

うちは低層階に住んでいるから大丈夫と思う方も多いようですが、2階から落ちて亡くなるケースもあるため簡単に考えてはいけません。死亡するリスクが最も高いのは3階~7階で、次に7階以上、2~3階となっているそうです。

落下中に時間的猶予があれば、体勢を整え手足を広げてムササビのように皮膚をのばし、空気抵抗を大きくすることによって衝撃を和らげることが出来るので、3階~7階よりも7階以上の方が死亡数が少ないと考えられています。

最近の室内飼いの猫たちは運動不足と肥満により、本来持っている敏捷性や平衡感覚が十分発達していない可能性があり、家具からの落下でも体勢を整えるのに要する時間の不足により、着地に失敗し骨折するケースもあります。「猫は高いところから落ちても大丈夫」という認識を改めた方がいいかもしれませんね。

これからの季節、暑さしのぎにベランダの窓を開けっぱなしにしているお宅もあるかと思いますが、2階以上で猫を飼ってらっしゃる方は窓を開けたままにしないことが最大の予防になります。

室内での落下防止策としては、家具を階段状に配置して高低差を少なくすることで事故を減らせますよ。

Y.N