南が丘動物通信

高齢動物の褥瘡の治療と管理 18年05月27日

褥瘡(じょくそう)とは体位変換が困難な動物の一定の部位に長時間にわたる圧力がかかることにより血流が悪化する事で皮膚壊死が生じる事である。

特に中型犬から大型犬の臀部に多く認められる。骨が突出している箇所は要注意である。

褥瘡の重症度は皮膚の欠損具合により4段階に分類される。

グレード4になると骨が露出し、褥瘡の管理および感染のコントロールが困難とされている。

褥瘡が認められた場合の初期治療は以下の手順で行う。

  1. 褥瘡周囲を生理食塩水などで湿らせた綿花等で洗浄し、周囲の毛刈りを入念に行う。

  2. 褥瘡周囲の壊死組織の除去およびトリミングを行う

  3. 患部を清潔に保ち、軟膏やドレッシング材で覆う

褥瘡を管理するうえで大切なことは患部を常に清潔および長時間の圧迫を与えないことである。特に高齢動物では起立困難な例が多く、定期的な体位変換を行うことが大切である。

H.F