南が丘動物通信

チェリーアイ 17年01月15日
 動物にはヒトにはない3つ目の瞼として目を保護するような役割がある、瞬膜(第三眼瞼)があります。この第三眼瞼の裏に瞬膜腺があり、涙を分泌する働きがあります。
チェリーアイとは、瞬膜腺が炎症を起こして腫れあがり、外に飛び出てくる状態のことを言います。飛び出た組織が赤いサクランボのように見えることからチェリーアイと呼ばれています。
チェリーアイは原因ははっきりとはわかっていませんが、2歳齢までの若齢動物の疾患で、アメリカンコッカースパニエル、ラサ・アプソ、ペキニーズなどでよく見られます。瞬膜腺は涙液を分泌する働きがあるため、放置されると涙量が減りドライアイの原因となります。. チェリーアイに対する治療はかつては脱出した瞬膜腺の全切除でしたが、瞬膜腺が涙液産生に重要な役割を持つことがわかり、今では瞬膜腺を温存し外科的に元の位置に固定するような治療法が一般的です。
チェリーアイに似たような病気には瞬膜の腫瘍などもあるため、高齢で発症した場合には疑っていく必要があります。早期の治療で悪化を防ぐことにつながるため、少しでも異常を感じたら早めに来院して頂けたらと思います。 Y.I.