南が丘動物通信

猫の黄色脂肪症 15年12月13日

黄色脂肪症とは主に皮下、腹腔内の貯蔵脂肪に過酸化変性を生じ、その脂質過酸化産物となるセロイドの沈着により高度の炎症を起こす疾患です。

体内の不飽和脂肪酸含量が高く、ビタミンなどの抗酸化物質が不足した場合に不飽和脂肪酸が酸化し過酸化産物を生じます。一般に、魚類からの過剰な不飽和脂肪酸摂取が原因となることが多く、猫ではマグロの缶詰の長期給餌が問題となることが多いです。

主な症状としては食欲減衰、全身性の疼痛、発熱がみられます。また皮下・腹腔内脂肪が硬くなり、腹部や鼠蹊部に腫瘤がみられることがあります。

治療は原因となる不適切な食餌を中止し、α-トコフェロールを症状が改善するまで投与することです。予防としては適切な食餌管理を心がけることです。