南が丘動物通信

食道炎 15年06月21日

食道炎は嘔吐や食欲不振の原因の1つでその頻度は比較的多いとされていますが、診断されることの少ない疾患です。というのも重症度によって症状が大きく違ってくることとレントゲン検査での診断が困難なことにあります。原因としては、異物や熱すぎる食事のほか、他の疾患による頻繁な嘔吐によって胃酸が食道へダメージを与えたり、猫ちゃんではドキシサイクリンのようなお薬によっても起こってきます。

症状は軽度のものではよだれが出たり、軽い食欲不振や発咳が見られ、重度では吐出、嚥下痛とそれによる食欲の廃絶が見られることもあります。

確定診断には内視鏡が必要となり、治療は原因がある場合は原因の除去が基本ですが、そのほか薬によって食道炎を増悪させる胃酸分泌を抑えてあげたり、食道の粘膜保護をしてあげます。また、重度の倍は食道を休ませてあげるために胃造廔チューブの設置が必要な場合もあります。