南が丘動物通信

猫のアセトアミノフェン中毒 13年12月18日

この時期飼い主様も風邪を引かれている方が多いのではないでしょうか?人で使用される市販の風邪薬にはアセトアミノフェンという成分が含まれているものが多く、この物質は猫にとっては非常に危険なものです。猫には薬を代謝し、排泄する機能の一つである「グルクロン酸抱合能」というものが乏しく、体内に入ったアセトアミノフェンを上手く排泄することが出来ません。よって、少量のアセトアミノフェンを摂取しても中毒症状が起きてしまう可能性があります。3.5kgの猫に162.5mgのアセトアミノフェンに対して中毒症状を示したという例もあります。主な症状は呼吸困難、顔面浮腫、低体温、嘔吐がみられ、重症になると衰弱、昏睡し、死に至ります。
 市販の薬には1錠(1包)40~500mgのアセトアミノフェンが含まれています。(詳しくは薬の取り扱い説明書等を参考にしてください。) つまり、人にとっては適切な1回量であっても猫にとっては致死量になってしまうということです。
 緊急の処置として気道確保、喚気、酸素吸入、輸液、痙攣のコントロール、原因物質の除去等が挙げられます。アセトアミノフェンは摂取されると急速に体内に吸収され、30~60分以内に血中濃度が最大になると言われており、摂取後は迅速な処置が必要とされます。
もし、お家で猫が間違って薬を飲んでしまった場合はすぐにお近くの動物病院に連絡しましょう。また、薬の管理は猫が届かないような場所で、床等にこぼさないようにお気をつけください。

D.T