南が丘動物通信

皮膚糸状菌症 13年02月21日

皮膚糸状菌症は、動物における皮膚疾患の一つです。その病巣のできる場所によって皮膚の表面に出来る表在性皮膚真菌症と、深くに出来る深在性皮膚真菌症に大別されます。圧倒的に多いのは、表在性皮膚真菌症です。表在性皮膚真菌症には、皮膚糸状菌症とマラセチア症があります。
 皮膚糸状菌症の原因菌は犬でも猫でも、Microsporum canisという菌の感染例が多いです。主に感染した動物との接触感染が原因ですが、汚染された土壌などの環境から感染することもあります。動物病院に来院された動物のうち、外猫であった子猫に多いと実感しています。他に多頭飼育や、免疫機能の衰えた動物でも発症することがあります。
 マラセチア症は、日々の診療でよく遭遇する疾患です。猫はほとんど遭遇することはないのですが、犬では本当に多い疾患です。マラセチアは酵母菌で、もともとは皮膚の常在菌です。このマラセチアが異常に繁殖する結果、発赤や、痒み、角質の肥厚や、ふけが出てきます。またマラセチアが異常に増えると独特の匂いがします。 このマラセチア症は単独で繁殖というより、皮膚の状態や、動物側の甲状腺機能低下症や、アレルギーといった原因があって治療をして改善しても繰り返すことが多い疾患です。
 深部に出来る真菌症は遭遇することはほとんどない稀な疾患です。しかしながら深刻な症状になることもあるので常に考えておく必要がある疾患です。
主に日和見感染でおこる疾患です。クリプトコッカス症やカンジタ症などがあり、症状としては、皮膚が赤くなったり糜爛が生じたりまた症例によっては腫瘤が形成されたりします。