南が丘動物通信

肛門嚢アポクリン腺癌 10年09月14日

肛門嚢アポクリン腺癌は一般的に肛門嚢の周辺における深部の硬い腫瘍としてみられます。老齢のイングリッシュ・コッカー・スパニエル、スプリンガー・スパニエル、ダックスフント、アラスカン・マラミュート、ジャーマンシェパードで好発傾向があります。
腫瘍が大きくなるにつれ、腫瘍が直腸を圧迫し便秘を起こすことがあります。また、この腫瘍の中には血中のカルシウム濃度の異常な上昇に関連するものがあり、血中カルシウム濃度の上昇は、食欲低下、体重減少、多飲多尿を引き起こします。
この腫瘍は局所のリンパ節や他の臓器に転移することもあります。ほとんどの場合、外科手術では腫瘍とその周りの組織に加えて、所属リンパ節の切除が必要になります。また、化学療法と放射線治療も行われることもあります。治癒率は腫瘍の大きさに大きく関与しますので、早期診断、早期治療が望まれる腫瘍です。