南が丘動物通信

気づいたらイボが... 19年09月20日

今までなかったのに気づいたら皮膚に、イボができてた...このまま様子を見ていていいのか、動物病院に行った方が良いのか心配になりますよね。今回はイボを種類ごとに見ていきましょう。

1)腫瘍

腫瘍ときくと、「ガン」をイメージすることがあるかと思いますが、腫瘍には『良性の腫瘍』と『悪性の腫瘍』があります。

『良性腫瘍』は大きくなることはあっても、他の臓器に広がる(転移)ことや、命に影響するということが少ないタイプの腫瘍です。ただし、場所によっては動きの邪魔になったりすることもあります。『悪性腫瘍』は転移を起こしたり、体の中に入り込みながら大きさや数を増やし、悪影響を及ぼすタイプの腫瘍です。一般的に「ガン」と呼ばれます。悪性腫瘍は以下のような特徴を持つ事を知っておきましょう。

大きくなるスピードが早い(たとえば1ヶ月程度で倍の大きさになるなど)

・表面がただれている

出血している

・非常に痒がる

・非常に痛がる など

しかし、しこりができても「がんかもしれない!?」とすぐに不安にならないでください。「皮膚では良性と悪性はどちらが多いのか?」と言うと、圧倒的に良性腫瘍のほうが多いとされています。

2)炎症

皮膚はいくつかの層からなります。皮膚の深い層、つまり真皮や皮下組織に炎症が起こると、皮膚がしこりのように腫れます。皮膚の深い部分の炎症は、主にケガや傷、菌が深く感染、トゲなどの異物が刺さった場合みられます。炎症が強い場合には、痛みを伴ったり、熱っぽかったり、します。また、感染や異物などの場合は、しこりがはじけて膿や血がでることがあります。

3)その他

人間の粉瘤のように、角化物や皮脂やたまった袋のような構造ができて、しこりになる場合もあります。また、唾液腺や汗腺がつまってしこりを形成する場合もあります。これらは直接的に身体に悪影響を与える事はありませんが、大きくなりすぎると邪魔になる事があり、そのような場合は、麻酔下・鎮痛下で切除する事があります。

今回はイボの種類に関してでした。少しでも不安に感じたら1人で思い悩まず、獣医師に相談してくださいね。

K.G