南が丘動物通信

歯科疾患に伴う鼻炎 19年02月25日

少しあたたかくなってきましたね。春の訪れは楽しみですが、同時につらい花粉症の季節がやってきましたね。私も薬がなければ鼻水がずるずる...。今回は、わんちゃんと猫ちゃんの鼻炎についてご紹介させていただきます。

わんちゃん、猫ちゃんの鼻炎では、細菌感染が根本的な原因となっていることは滅多にありません。抗生物質などのお薬で一時的に症状が軽くなったにもかかわらず再発してしまったというケースでは、二次的な細菌感染のみをコントロールしていると考えられます。

繰り返し、慢性化してしまった鼻炎の原因として、ウイルス感染、真菌感染、アレルギー、免疫に関連するもの、歯牙疾患、異物などが挙げられます。

今回は、歯科疾患に伴う鼻炎について詳しくご紹介します。わんちゃん、猫ちゃんは、口とお鼻を隔てている骨が、人間と比較して薄い構造になっています。このため、口腔内に問題があると(たとえば、重度の歯周病など)、容易に口腔と鼻腔が繋がった状態になってしまいます。この状態を、「口腔鼻腔ろう」と言います。口腔鼻腔ろうがあると、鼻汁やしゃみといった症状を呈します。歯石の沈着が重度であったり、歯肉が退縮してしまった場合は、根尖膿瘍といった歯根の周囲に膿が貯留した状態になってしまい、口腔鼻腔ろうを引き起こしている可能性があります。口腔鼻腔ろうになってしまった場合には、原因となった歯を抜いてしまうことが治療となります。愛犬のお鼻がずるずるしている、といった症状がありましたら、ぜひご相談くださいね。S.K