南が丘動物通信

歯が割れたら 18年09月02日

検診時にわんちゃんの歯を診させていただきますと、割れてしまっている歯をみることが少なくありません。デンタルケアにおいてモノを噛むことはとても大事なことです。しかしながら硬すぎるおもちゃを必死に噛むことで歯を割ってしまうこともあります。

歯が割れたら当然痛いはずですが、多くの子はそれでも食事は摂れるので症状がないかのようにみえてしまいます。歯髄が露出するような歯の割れ方をした場合、歯は自然に治ることはありません。最終的には歯髄腔に細菌感染を起こし、歯髄炎・歯髄壊死から根尖膿瘍となって顎骨・頭蓋骨を侵していくのです。また進行していくなかで最後の根尖膿瘍によって骨に膿がたまり破裂するまで疼痛に気づいてあげられないことがたくさんあります。

つまり割れてしまい露髄してしまった歯は重填するか抜歯してあげないと顎骨・頭蓋骨にダメージを負うまで悪化し続けるのです。口の中を見てあげることは飼い主様とわんちゃんのコミュニケーションとしても重要な意味があります。その中で歯が欠けていないかもぜひ確認してあげてください。K.Y