南が丘動物通信

外耳炎に対する抗生剤使用 21年08月20日

外耳炎の感染症治療に内服で抗菌薬を使用することはありますが、適切な外用薬を使用することが大切です。

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急性で外耳炎になった場合、耳道感染の原因となるのは浮遊性、つまりは抗菌薬に反応しやすい性質をもつ微生物です。このような症例には、内服で抗生剤を使用する全身性の抗菌薬療法が有効な場合があります。しかし、慢性的な外耳炎では、この微生物が外耳道壁の表面に固着・着生し、バイオフィルムを形成します。バイオフィルムの内側の微生物は、浮遊している微生物に比べて100〜1000倍の抗菌薬耐性があると言われており、このような症例では、全身性抗菌療法ではあまり大きな効果は期待できません。それどころか、同じ抗生剤を長期間使用することで耐性菌を生む可能性すらあります。慢性の外耳炎だけでなく、すべての外耳炎症例にバイオフィルムが存在する可能性があるため、細菌性外耳炎において、抗菌薬の全身療法のみよりも局所療法、またはそのどちらもを選択する方が、外耳道内の抗菌薬の局所濃度が高くなり、浮遊性およびバイオフィルム性細菌の両方に対して効果が期待できるため、急性・慢性外耳炎において局所の点耳薬での治療が推奨されます。慢性の外耳炎になってしまう前に早めのご来院お待ちしてます。

K.G

高血圧症 21年08月15日

ヒトでは、50代の方の3人に1人が血圧が高めであるというデータが出ています。

日常的に、血圧を下げるお薬を服用されている方は多いのではないでしょうか。

ヒトと同じように、犬や猫も高血圧症になることをご存じですか?

今回は、猫の高血圧症に注目してお話させてください。

高血圧症というのは、全身の血圧が異常に上昇する病気です。

そもそも、なぜ高血圧は治療しなければいけないのでしょうか?

血圧が高い状況が続くと、常に高い圧が血管内に加えられることになります。

そのため、血管内部が障害を受け、正常では血管の調節機能によって保護されている臓器にダメージが加わります。

高血圧の影響を受けやすい臓器には、目、神経、腎臓、心臓などが挙げられます。

わかりやすく症状が出るのは目と言われています。

網膜剥離や眼球内の出血が認められ、突然失明してしまうケースもあります。

では、どうして高血圧になるのでしょうか?

猫の高血圧症の原因となる病気がいくつか知られています。

最も多いのは慢性腎不全といった腎疾患、そして甲状腺機能亢進症、稀なものでは高アルドステロン症などがあります。

2つ以上の疾患が併発している場合もあります。

特に、慢性腎不全を患っている猫の20-60%は全身性高血圧を発症しているという報告があります。

猫は、ヒトと違って、塩分を極端に減らせば血圧が下がるというわけではありません。

(腎臓病の猫がナトリウムの制限をするのは正解です)

緊急に血圧を下げる必要がない場合には、内服療法が主流です。

猫ちゃんの性格によっては毎日の服薬は大変な場合もありますが、放っておくと取り返しの付かないことになってしまう病気です。

当院で測定が可能ですので、ご心配な方はぜひご相談ください。 S.K