南が丘動物通信

薬の飲み合わせ 21年06月20日

薬の飲み合わせに関しては人の医療に関しても注意すべきですが、犬・猫に関しても同じことが言えます。今回はクッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)において使用されるトリロスタンと腎臓病で使用される薬の飲み合わせに関するお話です。現時点でクッシング症候群の治療をしているワンちゃんも多いのではないかと思いますが、その子たちの多くが飲んでいる内服薬がトリロスタンと呼ばれる薬です。この薬は副腎皮質で行われているホルモン合成を抑制することで副腎皮質機能亢進症の症状を和らげる効果があります。

また、腎臓病のワンちゃん、ねこちゃんに対して使用される薬で、特にタンパク尿の治療に使用される薬の代表的なものにRAS阻害薬があります。この薬は腎臓から尿中に漏れでるタンパク量の減少を狙って使用されますが、この効果は血圧や腎臓への血流量を低下させることによって得られます。ここで問題になってくるのは副腎皮質で合成される、いくつかのホルモンのうちの一つが血圧をあげる作用を担っている点にあります。クッシング症候群の治療をトリロスタンでおこなうと、血圧をあげるホルモンの合成を阻害、すなわち、血圧を下げることになります。ここで、血圧・腎臓の血流を阻害する薬を併用してしまうと相乗効果により過度な血圧低下、腎臓の血流量が減少しすぎてしまい腎臓にダメージを与えてしまう可能性がでてきます。クッシング症候群にかんしても腎不全に関してもご家族とワンちゃん、ネコちゃんが生涯にわたって付き合っていく病気になります。少しでもご不明点がある場合はご相談ください。

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K・G

猫ちゃんは塩素系の香りが好き? 21年06月10日

これからの時期、湿気が多くカビ取りの為に塩素系の漂白剤を使う機会が増えていくと思います。

猫を飼っている飼い主の方は猫が塩素系の漂白剤のにおいが好きなことを知っていますか?

多くの猫ちゃんは塩素のにおいを嗅ぐと発情期のようにソワソワし、興奮して部屋を走りまわるという行動が見られます。これは、マタタビを与えたときの行動と似ています。そのため、マタタビに含まれている成分と同じか、似ている成分が塩素系の洗剤に含まれているのではないかと言われています。

そのため、漂白剤をこぼしてしまったり、漂白剤の入ったバケツを置いておくと猫が舐めてしまったなんてことを耳にすることがあります。

・猫が漂白剤を舐めてしまったらどんな症状が出るの?

塩素系の漂白剤は強アルカリ性のため、舐めたり飲んだり皮膚に付いたりすると、口や皮膚のただれ、よだれ、嘔吐、吐血、涙が出たり眼が充血するといった胃腸や皮膚の炎症を引き起こします。

また、漂白剤のガスを吸引することにより、呼吸速迫や咳をすることもあり、自宅で塩素系の漂白剤の使用により呼吸困難になりなくなってしまった事例も報告されています。

・猫が漂白剤を舐めてしまった場合の自宅での対処法

対処法1:口の中をよく洗う

可能であれば浴室に連れて行き、シャワーで口の中を10分以上洗ってあげましょう。まずは洗い流すことが大事です。ただ、ネコは水があまり得意ではないので、無理のない範囲で洗いましょう。水の誤飲は要注意です。眼に入った場合もよく水で洗いましょう。

対処法2:水を飲ませる

猫は人と違って飲みたくない時に水を飲んではくれません。そういう時には犬猫用のスポーツドリンク等で味をつけて飲ませたり、スポイト等を使って飲ませてあげましょう。

対処法3:牛乳があれば飲ませる

牛乳やヨーグルト、卵白などは消化管に被膜を作るので、漂白剤の吸収が悪くなります。下痢をする場合があるので、水ですこし薄めて飲ませてあげましょう。

猫が大量に漂白剤を飲ませてしまった場合や何かしらの症状がある時は、以上に書いた処置をしてすぐに動物病院に向かってください。

漂白剤は吐かせると食道や口腔がただれてしまうので無理に吐かせてはいけません 点滴療法や胃洗浄が治療法になります。

塩素系の漂白剤を使用する際は、十分に換気し、ネコの手の届かないところにものを置くようにしましょう。

Y.N.

みんなで予防しましょう 21年06月05日

予防の季節です。フィラリア予防と同時に、ノミ・ダニの予防を開始された方も多いのではないでしょうか?

最近では、暑い時期だけでなく、冬の間もしっかりノミ・ダニの予防をされている方も増えてきておられます。

その理由として、昨今「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」という人獣共通感染症が有名になってきたことが挙げられます。

しかし、ここ兵庫県では近年、マダニが媒介する別の感染症の患者が増加していることをご存じでしょうか。

その病気の名は、「日本紅斑熱」です。

リケッチアという病原体による病気で、感染マダニによる吸血によって感染が成立します。

潜伏期間は2~8日間、高熱、発疹、刺し傷の他、倦怠感や頭痛という症状を呈し、重症化した場合には死に至ります。

県内における発生は、2014年までは主に淡路島において確認されていましたが、近年では但馬や東播磨、阪神といった身近な地域でも報告されるようになってきました。

ダニは山林、草むらなどに生息しており、春から秋にかけては活動が活発になります。

私たち人間がレジャーや庭仕事、農作業などで直接マダニに咬まれることもありますが、ペットの飼い主も感染リスクが高くなります。

コロナ禍において、密を避けて野山にでかける方も多いかと思います。

肌の露出を避け、ダニに刺されないよう気を付けるほか、衣服についたダニを持ち込まないよう帰宅後に入念にチェックをしてください。

同様に、ペットも散歩の後にはブラッシングをしてダニの付着を確認することが有用です。

もちろん、毎月の予防も忘れないようにしてください。

最近は、種類も豊富で、フィラリアといっしょに予防できるお薬も出てきています。

お気軽にご相談ください。S.K