南が丘動物通信

認知症のわんちゃんのご家族の皆様へ 20年08月20日

pet_inu_rouken.png 近年ではワンちゃんも人と同様に高齢化が進んでいます。その結果として老犬の異常な行動を気にされるケースも多くなってきました。特に頭を悩ませるのが、夜中から明け方にかけて鳴き続ける行動で、これが認知症としてよく知られる症状です。老化によって、脳神経細胞の活動が衰え、知性、感情、運動をコントロールする自律神経の機能が低下するために起こるもので、早ければ12~13歳から始まりますが20歳以上になっても問題ない子もいます。認知症の症状は多くのケースで徐々に起こり、だんだん進行していきます。しかし高齢犬で何らかの病気が悪化し、そして回復した後で急に症状がでることもあります。認知症でみられる主な症状には「夜中に単調な声で鳴き続ける」「トボトボ歩き、円を描くように歩く(旋回運動)」「狭い所に入りたがり、自分で後退できなくなる」「よく寝て、良く食べて、下痢もしないのに、痩せてくる」などがあります。

 認知症を予防するにはなるべく昼夜逆転の生活をさせないことが大切です。昼間に寝ていたら刺激を与えて起こしたり日光浴をさせたりして、夜は寝かせるようにしましょう。それでも、認知症の様な症状がでる子に対してはサプリメントやお薬をお勧めします。当院で使用しているサプリメントにフェルガードというものがあります。日本認知症予防学会により初めて認められたサプリメントで、人間の方では認知症のいくつかのタイプの中でアルツハイマー型認知症に対して良い効果が得られているようです。実際にワンちゃんに飲ませていただき昼夜逆転、夜鳴き、徘徊といった異常行動が落ち着いたという報告を受けています。

 しかし、「夜中に鳴いて鳴き止まない」という理由で来院される高齢のワンちゃんの中には認知症以外の原因であることがあります。例えば、膵炎でお腹が痛くて鳴いているケースや感染症になってしまっているケース、腎不全で尿毒症になってしまっているケースなどがあります。そのような場合はまずは、そちらの治療をしっかりとおこなう必要がありますので、どうして鳴いているか分からない場合は認知症とは決めつけず、まずは病院に相談にきてくださいね。

K.G

ヒキガエル中毒(toad poisoning) 20年08月05日

今回は、ヒキガエル中毒についてご紹介します。

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ヒキガエルは日本にも生息の認めらる大型のカエルです。ヒキガエル中毒は、その耳下腺より産生される毒によって起こります。その多くは経口摂取によって起こりますが、傷や破壊された皮膚からの吸収でも生じます。

ヒキガエルの種類によってその毒性は多様であると報告されています。毒液にはさまざまな物質が含まれているようですが、主として血管内凝固を招くジキタリス様作用を発揮する物質や、強昇圧作用を持った物質が含まれているようです。ある地域(例に挙げられているのはフロリダ)では、ヒキガエルの接種が未治療の犬の約100%が致死的であったという報告もあります。

ヒキガエルを食べてしまった動物は、しばしば口を前足でけり、吐くしぐさあるいは重度の嘔吐を起こします。その中でも重篤な症例では、不整脈、失明、痙攣、衰弱し、食べてから30-60分以内に死に至ってしまうケースもあるようです。

あまり、日々の診療の中では出会うことのない中毒ではありますが、三田市内の公園でもヒキガエルの生息は報告されてはいます。また、実験的なヒキガエル中毒のレポートでは、日本国内の野生のヒキガエルの摂取によって、嘔吐や、流挺、頭振等のジギタリス様中毒症状があったと報告されています。そのため、十分可能性としては起こり得るため、今回ご紹介させていただきました。

もしも、ご家庭の動物さんが、ヒキガエルを食べてしまったら、まずはすぐに毒液を除去するために大量の水で口を洗ってください。そして、病院へ連絡していただきたいと思います。

M.K