南が丘動物通信

キャットリボン運動 19年11月10日

 みなさんキャットリボン運動というのを聞いたことがあるでしょうか?これは猫ちゃんの乳がんについて多くの人たちに知ってもらうことを目的とした運動です。

 人の乳がんの啓発運動はピンクリボン運動として知られていますが、これは1980年代アメリカではじまり、行政や市民に対して積極的に働きかけたことにより今では多くの方の意識改革を果たしただけではなく、政府や研究機関も一丸となる大きな動きになりました。このピンクリボン運動からキャットリボン運動と名づけられました。

 多くの方は、猫ちゃんに乳がんがあることを知りません。猫ちゃんの飼い主さんたちでさえ、知らない方が多くいらっしゃいます。乳腺にしこりができた場合は80%が悪性(それもすごく悪性度が強いものが多い)で転移も多く、積極的な治療が望まれます。もちろん腫瘍が小さいほうが経過が良いです(2cmが大事なラインです)。そして早期の不妊手術が乳がんの発生率を低下させます。これらのことは、猫ちゃんの乳がんの基本知識ですが、これらをみなさんご存じでしたでしょうか?まずは猫ちゃんのご家族に知ってもらうこと、そして正しい理解をしてもらうこと。それを目的としてキャットリボン運動ははじまりました。

 この運動は一般社団法人日本獣医がん臨床研究グループ代表理事の小林哲也先生が主導されています。いまはホームページも開設され、自宅での乳がんのセルフチェックについても載っていますので、ぜひ参考になさってみてください。そしてもし猫ちゃんにしこりを発見したら、、放っておかずにすぐに動物病院へ行ってくださいね。

キャットリボン運動公式ホームページ

https://catribbon.jp/

T.S.