南が丘動物通信

栄養素がかかわる皮膚疾患 19年09月17日

皮膚疾患のなかには栄養障害が原因になっているものがあります。一般的なドッグフードを与えている場合、特定の栄養素が欠乏することはほとんどありませんが遺伝的な問題で吸収障害がある場合があります。以前コラムに書かせていただいた亜鉛反応性皮膚症はこれに当てはまります。また亜鉛の吸収はカルシウム、鉄の吸収と相互にかかわっており、カルシウム、鉄を多給した際にも吸収不良を起こします。

必須脂肪酸、ビタミンAが欠乏した際にも皮膚炎が起きます。したがって皮膚疾患ではない病気で食事制限をしているときにも気を付けなければなりません。例えば膵炎を起こした際特に急性期には超低脂肪食を強く指導させていただいておりますしかしながら超低脂肪食は永続的につづけると必須脂肪酸、ビタミンAが足りなくなってしまいます。そこで当院では膵炎の際は病状の安定・改善を確認しながら療法食へすこしずつ切り替えたり、サプリメントをおすすめさせていただいたりしています。これらが欠乏したとき症状としては毛穴の角栓、フケ、抜けやすいつやのない被毛、軽度の掻痒がみられます

栄養は欠乏も過剰も気を付けなければなりません。お困りの際はぜひご相談いただけたらと思います。K.Y