南が丘動物通信

動物の日焼け 19年02月28日

暦の上では春になりました。まだまだ肌寒い日が続きますが、化粧品店に向かうと、「今から日焼け対策しないといけないわよ」と日焼け止めを勧められる季節です

ヒトにおいて日焼けは美容的な観点はもちろん、皮膚病変としても日常的に問題視されていますね。

それに比べて、ふつう動物の日焼けは問題視されることはありません。

しかし、条件がそろえば動物も同様に日焼けを起こし、場合によっては潰瘍化に至ることが知られています。

日焼け、つまり日光性の皮膚炎は白色~淡色の皮膚、短毛で、毛が薄い部位に生じやすく、犬では鼻の上部の部分で起こりやすく、耳や四肢、しっぽの先に起こることもあるようです。猫では、耳、目の周り、鼻、口唇が起こりやすい場所だと報告されています。ヒトを同じように紅斑や水疱、色素沈着がおこります。

軽症である場合は、直射日光を避けたり、日焼け止めを塗ることで自然に治ることが多いです。潰瘍化に至った場合は治療をしたほうがよいでしょう。しかし、皮膚炎にとどまらず扁平上皮癌が発生した場合は病変を切除する必要があります。特に白猫ちゃんは紫外線には要注意ですね。

また、ヒト用の日焼け止めを使う場合には、なめてしまって亜鉛中毒を起こす可能性があるため、酸化亜鉛の入ったタイプのものは避けたほうが良いですね。

通常あまり軽度の日焼けが問題になることはありませんが、(夏場にアスファルトで肉球をやけどするこのほうがよっぽど多いですね)季節柄気になってくる日焼けについて紹介させていただきました。

M.K