南が丘動物通信

オメガ3脂肪酸 18年12月30日

 脂肪というとネガティブなイメージがつきがちですが、脂肪には良いものと悪いものがあります。実は脂肪は生体内では多様な形をとって存在しており、さまざまな働きをしています。細胞膜を構成していたりホルモンをつくったり、、ω3脂肪酸は特に体に良い作用をもつことから近年特に注目されています。

 ω3脂肪酸は8種類あり、有名なのは青魚に含まれるEPADHAです。人では血中悪玉コレステロールを低下させ、血圧低下効果があるといわれています。人では1日に1.6-2.4gの摂取が推奨されていますが、なかなかそれを達成するのが難しいようで、サプリメントなど様々な方法で摂取するよう意識づけられています。犬でもω3脂肪酸が有用とされ、血液サラサラ効果の他にも、抗炎症効果があることから各疾患の管理において有用でないかと検討されてきました。特に研究されているのは、皮膚病における止痒効果、関節炎における治療、免疫活性効果からの腫瘍抑制効果、認知症抑制効果などです。

 実際に私たちの日々の診察の中でも、関節炎で困った子たちに脂肪酸のサプリメントを与えると、症状が改善して元気に歩くようになったという声が多く届きます。痛み止めやキツいお薬を生涯に渡って投薬することは望ましくありませんが、こういったサプリメントですと、本来狙った目的以上の効果が出ることも期待できるため、私たちとしてもオススメしやすいものになっています。

T.S.