南が丘動物通信

カプノサイトファーガ感染症 18年11月11日

 先日犬から舐められただけでうつるとテレビで放送され、注目されているカプノサイトファーガ・カニモルサス感染症というものがあります。犬猫からうつるとか、最近この手のニュースが多い気がしますが、適切な触れ合いで発症するケースはごくまれです。

 以前から報告されており、特別新しく発見されたわけではなくカプノサイトファーガは犬猫の口腔内に常在している細菌です。また種は違いますが人の口腔内にも歯周病菌として存在しているようです。噛んだり引っ掻いたりすることで、この細菌が人に入ることで感染するようですが、発症すること自体が珍しいようです。発症するリスクの高いケースは、糖尿病、がん患者、自己免疫疾患などの基礎疾患を有していて免疫力が低下していることと言われています。重症化すると敗血症や髄膜炎、DICなどを呈しますがこれはこの感染症に特徴というわけでなくどの感染症でも重症化するとだいたいこうなりますし、何回も言うようですが重症化は極めてまれです。

 感染・発症する可能性は低いですが、動物と暮らすということはカプノサイトファーガだけでなく様々な感染症の恐れがあるのは事実でしょう。しかし適度な距離やコミュニケーションを保ち、きちんとした衛生管理(口移しはしない、手洗いを徹底する)を実施することでそれらは心配ないはずです。かわいいワンちゃん、猫ちゃんと気持ちよく暮らしていくために正しい知識を持っておきたいですね。

T.S.

DSC_000011.JPG