南が丘動物通信

出血による貧血 18年09月30日

貧血とは、赤血球数やヘモグロビン濃度、PCVの減少として定義される症候です。貧血の程度にもよりますが、活動性の低下、可視粘膜の蒼白、ふらつき、沈鬱、食欲不振、呼吸促拍などが認められます。診療において遭遇する機会の多い貧血ですが、その原因は多岐にわたります。今回は、出血による貧血についてご紹介したいと思います。

出血による貧血の原因としては、血管損傷、止血異常などが考えられます。血管損傷が原因である場合、出血部位を探索する必要がありますが、考えうる出血部位としては、歯肉部、鼻腔内、眼球内、腸管内、皮下などが挙げられます。外傷の有無を調べることはもちろん、画像検査で全身をくまなく調べることが重要です。止血異常が原因である場合は、皮膚の点状出血や粘膜出血、皮下出血や体腔内出血が多くみられます。

貧血の原因が出血である場合、治療には原因除去が第一ですが、必要に応じて輸血も用いられます。血液量が確保され、出血の原因が除去されれば予後は良好であるとされています。かわいい愛犬・愛猫に貧血のサインがあれば、すぐにご来院くださいね。S.K