南が丘動物通信

抗甲状腺薬に皮膚アレルギーの猫ちゃん・甲状腺機能亢進症の手術 17年06月16日

抗甲状腺を内服すると激しい痒みがでる猫ちゃんがいます。早ければ1週間くらいから遅く出る猫で1ヵ月くらいたってから副作用として出てきます。顔面に集中して出ることが多くとてもがまんできないようです。今まで当院で5頭来院しすべて外科手術を行いました。今回の症例の猫ちゃんはまだ7歳の男の子です。近医で診断していただきましたが内服するとすぐに皮膚アレルギー病変がでてきたようです。手術は基本的には甲状腺値を下げてから行うことが安全であると考えられており、y/dに食事変更をしていただいたところ幸いに数値が低下し、手術となりました。手術は上皮小体の機能をいかに残せるかどうかがポイントです。一般的に上皮小体は腹側側の頭側から甲状腺の中央部にかけて前方より血管が入り込んだ状態で認められるものですが、今回の症例は背側の尾側にあり、血管が認めにくい状態であり、他の位置には認められませんでした。上皮小体を甲状腺から分離切込みを入れて筋肉内に埋め込みました。写真の小さな丸いものが上皮小体です。1カ月くらいすると機能してくれると言われています。無事今日退院しました。

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