南が丘動物通信

7月1日 葉月会循環器科セミナー 16年07月02日

僧帽弁閉鎖不全症の診断・治療(中編)

日本獣医生命科学大学 竹村直行先生

僧帽弁閉鎖不全症のある程度進行した症例では、安静時に咳が見られたり、肺水腫のような重篤な状態に陥る恐れがあります。そういった症例では、直接作用型動脈拡張剤やピモベンダン、利尿薬を使用するのですが、今回の症例では、それらの薬剤の作用機序や特徴、実際の使用例などを過去の様々な文献も交えて詳細に学ぶことができました。

また、犬の安静時呼吸数が40/分以上であることは、犬の肺水腫の診断において感度・特異度ともに100%であるという報告を紹介頂きました。肺水腫の早期発見、早期治療は救命の点において非常に重要であり、僧帽弁閉鎖不全症を治療中のワンちゃんの飼い主様には、咳の様子や食欲などの一般状態のほかに、自宅での安静時呼吸数に注意していただきたいと伝えていくことが大切だと感じました。

H.B.