南が丘動物通信

耳介辺縁皮膚症 15年12月20日

耳介辺縁皮膚症(耳輪皮膚症)は耳の辺縁に生じる限局して角化異常症です。

原因は明らかにはなっていませんが、ダックスフンドに好発する傾向があることから遺伝的関与が考えられている。一方で、甲状腺機能低下症の犬でもこの病気が見られることもあります。

症状としては左右対称性に耳介辺縁部に限局して鱗屑、毛包円柱、またそれの脱落に伴う部分的な脱毛がみられます。重症例では厚く、硬い鱗屑の塊が耳の先端に固着する為違和感から耳を振ったり、引っ掻いたりすることによって病変部に亀裂を生じて出血することもあり、基本的にかゆみは生じませんが、この場合は傷になった部分に疼痛を伴うことが多くあります。

鑑別疾患としては疥癬、脂腺炎、虚血性皮膚症などが挙げられますが、耳介辺縁皮膚症の診断は特徴的な臨床症状を示すことから比較的容易に鑑別することができます。

治療は根治することが難しく、対症療法としてのシャンプー療法が一般的です。初期は鱗屑が完全に除去されるまで頻回のシャンプーを必要としますが、改善が認められればシャンプーの間隔を延長しての経過観察になります。

S.A