南が丘動物通信

犬の精細胞腫 15年04月19日

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先日、ゴールデンレトリーバー(7歳、未去勢雄)の睾丸の1つが腫れているとのことで、手術にて精巣を摘出しました。
(写真はそのときに摘出した精巣です。写真の左側の精巣がもう片方の精巣よりも明らかに腫大しております。)
病理診断の結果は「精細胞腫」でした。
精細胞腫は精祖細胞に由来する胚細胞腫瘍であり、間細胞腫やセルトリ細胞腫とともに精巣も発生する代表的な腫瘍の一つです。一般には潜在精巣(腹腔内や鼠径部に精巣が停滞している状態)では腫瘍発生のリスクが増加すると言われておりますが、今回は陰嚢内の精巣が腫瘍化したものでした。
精巣に発生した腫瘍の中には、ホルモン産生異常を起こして雌性化症候群や骨髄抑制など様々な腫瘍随伴症を呈するものもあるので、未去勢犬の飼い主の方は睾丸の大きさなどに異常を感じましたら、当院までご相談下さい。
H.B.