南が丘動物通信

猫伝染性貧血(ヘモバルトネラ症) 14年12月21日

Mycoplasma haemofelis(Haemobartonella felis)が赤血球に寄生することにより起こる溶血性貧血である。病原体はダニやノミ、喧嘩による受傷により媒介されると考えられている。
本症は病原体の単独感染で重症が現れることは少なく、すでに感染している動物が、脾摘、免疫抑制剤の使用、ストレスなどにより症状を発現することが多い。主な症状は低体温、元気消失、食欲不振、呼吸速迫などが見られることが多い。
診断は血液塗抹標本での赤血球内の病原体の検索、PCR法による遺伝子診断が行われる。
治療はテトラサイクリンおよびドキシサイクリンが効果を示す。また、貧血が重度の場合は輸血も同時に行う必要がある。

D.T