南が丘動物通信

犬の毛、毛周期 14年12月07日

 犬の毛の土台となっているのは、毛包で表皮が真皮内に陥没して生じています。一つの毛穴から複数の毛が出ることとを複数毛包といいます。複合毛包は、中心にある一本の主毛(一次毛) 4本以内の中間毛、15本から20本の副毛(二次毛)で構成されています。犬の背中の毛は、硬く、つやのある毛並で、お腹の方の毛は、軟らかい毛なのはこの複合毛の割合が異なるためです。寒い時に毛が立ちますが、興味深いことに毛を立たす立毛筋は主毛にはついてて、副毛にはついていません。二次毛は体温維持のアンダーコートとして働きます。中間毛は、ヨークシャテリアなどの犬種ではない場合があります。 また犬の種類によって一次毛と二次毛の比率が異なり、プードルは二次毛が80%も占めるそうです。通常犬は、夏の日照時間が長くなると二次毛の脱落が進んで、二次毛が疎になり、逆に冬になると二次毛の伸長が進んで豊富になり断熱効果が高まります。
また毛の色は、毛球における色素細胞によって決められます。 産生される色素は、黒褐色の色素と黄赤色の色素の2種類でその比率で色が決定されます。
毛は、毛根の状態で、毛が伸長している成長期から、成長が止まって、毛が抜けるまでの間の退行期、休止期を経て脱毛していきます。 この脱毛は、同時期に起こらずモザイク状に起こるので、正常な犬では毛が薄くなったり、いわゆるハゲの状態にはなりません。
 犬の脱毛症は、この脱毛のサイクルがおかしくなったり、また毛軸が異常で抜けるのではなく折れて薄くなることがあります。先天的なものから、実は体の中のホルモン病であったりと原因は様々です。とくにホルモン病は、毛の異常から発見されることもあります。 病気によっては、残念ながら劇的に改善できないこともありますが、気になることがありましたら、ご相談ください。
                                       M.N