南が丘動物通信

11月20日 眼科セミナー基礎編 第六回 14年11月25日

ファーブル動物病院眼科 院長
山下 真 先生
今回は白内障についての講義でした。白内障は水晶体の濁りの総称で、原因は様々で特定できていないものもありますが、若齢性(主に遺伝性)のものが40%、6歳以降に発症する老齢性のものが60%ですがそのうち40%は遺伝性と言われています。特に気を付けたいのは糖尿病の犬の白内障で、糖尿病発症後1年以内に75%が白内障を発症すし、進行が急激なのが特徴です。白内障の恐ろしいところは、ぶどう膜炎や緑内障などの合併症を引き起こすことです。白内障は人と同じで点眼や内服薬で治療できるものではなく、手術が唯一の治療法です。ですが、合併症を起こしてからだと手術は難しくなります。また、合併症が原因で視力を完全になくすことも多いです。そのため、どのタイミングで白内障の手術をするのかが動物の視覚を守るうえで最も大切です。白内障の手術には特殊な技術を要するのでどの病院でもできるものではありません。当院でも白内障手術は行っておらず、眼科専門医さんに手術をお願いしています。ですが、手術のタイミングを逃さないように飼い主様に提示することが私たちの重要な役目だと思います。
M.M.