南が丘動物通信

犬の椎間板ヘルニアに対する鍼灸治療 14年10月26日

鍼灸療法は中国で古くから家畜の疼痛や麻痺性を伴う運動機能障害性疾患に良好な治療効果を示していた。犬の椎間板ヘルニアに対して高い治療効果を示す。グレードⅢ及びそれ以下の症例に対してほぼ100%有効であり、治療開始後1~4日程で歩行が可能になったとの報告もある。またグレードⅣに対して1~8回の治療、つまり2週間前後で歩行可能になり治癒効果は90%に近い。グレードⅤに対しては個体差があるものの1~1年半かけて治癒となるが来診間隔と回数などに結果は影響する。多くは2ヶ月で治癒すると言われている。
要するに鍼灸療法は大変効果的であり、一般西洋内科療法と比較し副作用がなく、治癒時間が短いのを特徴とする。鍼灸療法のメカニズムは椎間板物質による脊髄損傷部の微小循環の機能障害を抑制及び改善し、局所の正常環境を最大限に維持し、また神経細胞の自主再生を促進し、機能を回復させ、治癒を向かわせることにある。
当院においても椎間板ヘルニアの症例において、鍼灸療法を実施しているが歩行可能になった症例は多い。 D.T