南が丘動物通信

犬の誤飲 14年08月03日

動物が、食べてはいけないものを食べてしまったという連絡が多くあります。誤飲してしまったものを、体の外に出すのには、①経過をみる ②嘔吐させる ③胃洗浄 ④内視鏡 ⑤お腹をあけて取り出す という選択肢があります。①は、明らかに細かく食べたりして小腸を通過できると判断できるものや、食べてはいけないものでも少量なら様子を見ていただくことがあります。意外に思われる飼い主様もいらっしゃるのですがチョコレートなどもごく微量なら、問題ないので様子を見て頂くことがあります。しかしそれは量によりますので、何キロの犬が、どの種類(ダークチョコや、ミルクチョコ)をどれくらい食べたかの確認が重要です。②は、嘔吐をさせても大丈夫なものを食べた場合や、胃洗浄までいかなくてもアスピリンなど、少しでも吸収を防ぎたい場合に行います。嘔吐は、お薬でおこないますが、嘔吐しない場合や嘔吐したくても出来ない場合は③の胃洗浄か、緊急でないなら内視鏡を試みます。③の胃洗浄はどろっとしたものを大量に食べてしまった場合や、危険な内服薬などを大量に飲んでしまった場合に麻酔をかけて行います。④内視鏡は、胃と胃の出口、小腸の一部まで見ることが出来ます。麻酔をかけないと出来ませんが、確実に溶けない異物が胃の中にあるかを確認することが出来ますし、もし異物があれば摘出できる方法です。しかしながら食べ物が少しでも入っていると内視鏡では見ることが出来ないので、食事を抜いて頂くことが重要です。⑤の開腹の選択肢は最終的なもので、胃を通り越してしまって内視鏡が届かない場所で詰まってしまったり、紐状のものが絡んでいたり、大量や大型の物を食べてしまった場合に行います。手術ですので最も負担はかかりますが、それ以外の選択が出来ない場合に行います。
 犬は、時にびっくりするようなものを食べます。一瞬であるのと、飼い主様が急いで取り上げようとすると逆に飲み込んでしまうことが多いです。近くに置かないというのはもちろんなのですが、飲み込んでしまった場合は、何をどれだけ、いつ飲み込んだかをまず当院に電話をして頂き、商品のパッケージや残り、同じものがあればそれを持ってきていただければ、速やかな対応が可能です。上記に示した通りいろいろな方法がありますので、もしそのようなことがあれば来院前にまずご連絡ください。 M.N