南が丘動物通信

7月4日葉月会セミナー 14年07月04日

犬猫における体外循環を用いた心臓手術
 菅野信之先生 狭山動物心臓病研究会 白石動物病院

 今回は、体外循環を用いた心臓手術についての講義を受けました。動物の心臓手術は、それを出来る術者や機材が限られており、近畿では現段階ではおこなわれておりません。しかしながら、飼い主様に提示する選択の一つの治療法ではありますので、とても勉強になりました。1頭の手術を行うのに、術者も含めてスタッフは6~8人必要だそうです。そして、手術は、個体差がありますが、麻酔をかけて、手術をし、人工呼吸器を外すまでに9時間はかかり、その後24時間集中管理を行います。肺動脈狭窄症や心内膜床欠損症といった、先天的な心臓病や心臓腫瘍、また後天的に多い僧房弁閉鎖不全症といった手術症例をみせてもらいました。特に僧房弁閉鎖不全症は犬に比較的多い疾患です。比較的若い症例、内服ではコントロール出来ない症例には、コストがかなりかかるのが難点ですが、とても有効な治療法であると思います。
 比較的頻繁にされる治療法ではありませんが、どのような手術方法で、その予後はどうかも含めて飼い主様に提示が出来るように、学んでいきたいと思います。