南が丘動物通信

毛包虫症 14年05月11日

毛包虫症は犬の皮膚に常在するニキビダニが過剰増殖した場合に発現する皮膚疾患の一つで、局所的に発症するものと全身に発症するものがあります。
局所性毛包虫症は内部寄生虫や栄養失調、免疫抑制剤の使用やストレスが起因し3~6ヶ月の子犬に多くみられます。顔に多く、皮膚の赤みや色素沈着、フケなどを伴った脱毛がみられますが、二次感染がなければ痒みはあまりありません。全身性毛包虫症は3~18ヶ月の若齢犬や副腎皮質機能亢進症、甲状腺機能低下症、免疫抑制剤の使用、糖尿病などによって免疫力が低下している中年齢以上の犬でみられます。こちらは痒みを伴う前述のような脱毛が肢を筆頭に体のいずれの部分にも発症します。
いずれも免疫抑制剤や副腎皮質ホルモンの使用を停止するなどの免疫力を低下させている原因への対応、シャンプー療法やダニ駆除剤で1~2ヶ月かけて治療していきます。また表在性および深在性膿皮症を二次的に発症している場合、そちらの治療も必要となり、治療はさらに長くなってしまいます。さらに全身性のものは再発することが多く、根気よく治療し続けることが大切です。
K.Y