南が丘動物通信

高齢動物の栄養管理 12年11月06日


 近年、人間社会と同様に、動物社会でも生活環境の改善や獣医療の発展、家族の病気に対する意識の向上などにより平均寿命が飛躍的に長くなっています。一方で動物の高齢化に伴い、高齢期疾患の発生も増加してきています。
 高齢動物の加齢による身体機能の変化として、基礎代謝の低下、循環器系・泌尿器系・消化器系などの各臓器の機能低下、神経系の機能低下、筋・骨格系の機能低下、免疫機能の低下、皮膚・被毛の変化などが挙げられます。
 高齢動物の栄養管理は、これらの様々な変化をなるべく軽減させることを目標に行います。具体的には、①十分な量の消化性の高い良質な蛋白質、②ω6およびω3脂肪酸を適切な量に調整した脂肪、③血糖値をあげにくい炭水化物、④適切な量のビタミン・ミネラル、⑤ビタミンE、C、タウリン、ベータカロテンなどの抗酸化栄養素の添加、⑥グルコサミノグリカンやコンドロイチン硫酸の添加、などです。
 ただし、上記の内容は健康状態の良い高齢動物に当てはまるもので、何らかの疾患に罹患している高齢動物では内容の変更が必要となる場合があります。詳しくは獣医師にご相談下さい。