南が丘動物通信

ウサギのツメダニ症 12年09月11日

 ツメダニ症は、ウサギツメダニCheyletiella parasitivorax の寄生によって起こる最も多く認められる外部寄生虫です。本症は、親以外のウサギと接触を持ったことのない個体に発症がみられることや3~4歳齡以上になってから発症することがあることから、寄生がありながら発症しない潜伏寄生の個体が多く存在するものと考えられています。従って、発症は何らかのストレスが引き金になっていると考えられています。
 症状は、主として後頭部から頸~胸背部の皮膚の発赤、落屑(フケ)、薄毛が認められます。通常は激しい痒みがあり、後肢でしきりに引っ掻きますが、一方であまり痒みが強く認められない個体もみられます。
 診断は、虫体もしくは虫卵を顕微鏡で確認することです。しかし、ツメダニ症らしい症状があるにもかかわらず、虫体の検出を何回行ってもツメダニが見つからない症例も時にあり、その場合は診断的治療を行うこともあります。
 治療は、セラメクチンのスポットオン製剤が現在のところ有効であると思われます。