南が丘動物通信

皮膚の創傷治癒、ドレッシング 12年08月28日

 皮膚が、怪我をして皮膚の一番表面の表皮と言われる場所が開いてしまい、外から皮下組織などが露出されてしまった場合、状態によって様々な治癒の仕方があります。創部がとても綺麗で感染症がなく、開いてしまってから時間がそれほど経過してない場合はそのまま縫合すれば血管が進入し綺麗に治癒されることが期待できる一次治癒から、感染や、皮膚が広範囲に開いてしまいそのままでは治癒が見込めず、感染をコントロールし、新鮮な肉芽組織が出来るように治癒させる二次治癒やある程度で縫合する三次治癒などがあります。
 傷を覆うことをドレッシングと言い、覆うものをドレッシング材と言います。一次治癒でもドレッシング材は使う場合がありますが、重要なものは、二次治癒や、三次治癒の時に使用するドレッシング材です。その使用によって、治癒が速まったり、逆に異なったドレッシング材を使用すると治癒が遅れる可能性があるからです。
ドレッシング材は、その目的や、現在の治癒過程において、今感染が起こっているのか、肉芽組織が出てきているのか、貯留液の量は、多いのか、少ないのかなどで様々なものがあります。
 以前は、傷口は乾かして治すことが主流でしたが、現在は適度な湿潤環境が必要とされています。その湿潤環境を保つ為に、サランラップを巻いたり、過度な水分を吸収しつつ、創部を湿潤環境に保つドレッシング材を使用したりします。
 創傷の管理は、必要に応じて、まず創傷の洗浄、異物、壊死組織の除去、感染のコントロール、過剰な貯留液が出る場合はドレナージ(創部に出る液体を創外に排出すること)を行い創部が治癒しやすい環境を整えます。どうしても、これらを行なっても肉芽組織が出てこない、皮膚が再生されない場合は、自己血清を用いた治療法を行う場合があります。

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