南が丘動物通信

犬の皮膚病におけるシャンプー療法 12年05月21日

皮膚病の原因によっては、シャンプー療法を併用することがあります。
シャンプーは水溶液であり、界面活性剤や、洗浄剤の他に様々な治療的、美容的成分が添加されています。洗浄は、皮膚表面から、落屑を取り除き、環境アレルゲンや細菌などの外部からの刺激を取り除き、毛穴を洗浄するのを助ける目的があります。
 細菌感染における治療では、殺菌効果のあるシャンプーを、落屑を取り除き殺菌数を減少させる為に使用します。また細菌感染性皮膚病を起こしやすい犬では、定期的なシャンプー使用が、予防的な効果を得られることがあります。
 マラセチア皮膚炎では、皮膚が肥厚したり、脂漏性疾患(脂っぽく)なっている事が多く、そのような場合では角質調整性シャンプーや、抗脂漏シャンプーを使い皮膚の厚みを正常に戻したり、皮脂産生の抑制、減少または導管の洗浄を助けます。
 アレルギー性による皮膚病の時は止痒効果のあるシャンプーがあります。
 またシャンプーの中には、必須脂肪酸や、皮膚病で失われている皮膚の保湿性を改善させる為に、保湿剤が含まれるものもあります。
以前は「犬はシャンプーをしてはいけない」と言われており、アメリカの獣医師の中でも1960年代は、そのように提言されていました。しかし現在では、シャンプー療法はかなり有効的な皮膚病の補助療法と認識されています。
 シャンプーの種類によっては、頻回のシャンプーは、皮膚の保湿性を減少させてしまうこともあります。しかし皮膚病を起こしてしまった皮膚には、適切なシャンプーを使用すれば、かなり有効的な補助治療となります。


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