南が丘動物通信

腸トリコモナス 12年05月15日

腸トリコモナス(Pentatrichomonas hominis)は大腸に寄生する寄生虫です。洋ナシ形の体をしており、鞭毛をもった原虫で、感染した動物の便の中で活発にクルクルと動き回っている様子が観察されます。
この原虫のはっきりとした病原性は確認されていませんが、仔犬や仔猫に下痢や粘液便を起こして発見されることが多いです。感染経路は経口感染で、多頭飼育されている動物において感染がみられることがありますが、実際は単頭飼いの仔犬や仔猫でも発見されています。
トリコモナス症の一般的な治療は、メトロニダゾールという抗トリコモナス薬を服用することです。耐性トリコモナスの場合は多剤を併用し、1~2ヶ月にわたる治療が必要なこともあります。また、感染している子の糞便から感染する病気なので、他に動物を飼っている場合は感染が広がらないように飼育環境を衛生的に保つことが重要です。
新しく仔犬や仔猫を家に招いたときは、是非検便を含む健康チェックをしましょう。
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