南が丘動物通信

皮膚の局所的療法 12年03月21日

皮膚病の局所的な療法は。薬剤を直接塗布するもので薬理学的に道理にかなっていますが、動物が舐めてしまうことも考えられます。しかし局所療法は、単独または、全身療法の補助的治療として行うことで、錠剤および注射による薬剤投与の用量または回数を減らす事が出来ます。
 シャンプーは、洗浄することで皮膚表面から、落屑を取り除き、環境アレルゲンや細菌などの外部からの刺激を除去し、毛穴を洗浄するのを助ける目的があります。また保湿や、止痒効果のある成分が含まれるシャンプーもあります。
 ワイプとは、シャンプーではなく、薬剤をコットンなどに含ませ患部に塗布する治療です。簡便でシャンプーを嫌がる症例では、塗布だけなので有効ですが、シャンプーのように残屑を除去できません。
 クリームや軟膏は、薬剤成分が入っています。広範囲な病変には大量に使用をしないといけませんので推奨されませんが、限局されている症例には有効です。
スプレーは、手軽に使用が可能でまた軟膏やクリームよりも,より広範囲な部位に塗布することが可能です。
ただし、クリームや軟膏、スプレーは、塗布後、動物が舐めないようにしばらく管理する必要があります。
 スポットオンは、背中に液体を垂らす治療で、全身に吸収されて徐々に皮膚に放出されるものと、皮膚全体に広がるが体内には吸収されないものがあります。従来「フロントライン」といったノミやダニの感染症の治療や予防で用いられて来ましたが、最近は、皮膚のバリア機能を高めるスポットオンの薬剤も開発されて来ています。

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