南が丘動物通信

フェレットのアポクリン腺癌 12年02月28日

ferret.JPG

フェレットのアポクリン腺は汗腺や肛門周囲腺として皮膚の広い範囲に分布しており、汗腺が集中する部位、特に、頭部、頸部、包皮、会陰部にアポクリン腺の腫瘍は好発します。その中でも、アポクリン腺癌は雌では会陰部に、雄では包皮に好発します。
フェレットのアポクリン腺癌は、硬結し境界不明瞭でび慢性に皮膚浸潤する腫瘤として確認され、腫瘤表面に潰瘍や出血を伴うこともあります。犬や猫におけるアポクリン腺の腫瘍は、良性が多くを占めますが、一方、フェレットのアポクリン腺腫瘍は、その悪性比率が高く、腺癌の発生も多くみられます。アポクリン腺癌は犬猫同様に再発、局所転移や肺転移も認められます。腫瘍を発見後、迅速にかつ広範囲なマージンを確保した上での切除が必要となります。
以上のように、フェレットの会陰部や包皮で腫瘤を発見した場合、悪性のアポクリン腺癌の可能性も考えられます。もともと小さな体のフェレットのこと、腫瘍が大きく育ち手遅れとなる前に一度診察を受けられることをお勧めします。
写真は包皮に発生したアポクリン腺癌です。