南が丘動物通信

7月22日 志学会セミナー 11年07月22日

膝蓋骨脱臼~診断・病因・病態生理・治療~、領域麻酔法
ファーブル動物医療センター
野尻紋美先生

 膝蓋骨とは膝のお皿の骨のことで、膝蓋骨が膝の溝から外れてしまう膝蓋骨脱臼が小型犬でよく見られます。膝蓋骨脱臼では膝だけでなく股関節や大腿骨などの異常、筋肉の線維化など病態生理が複雑であり、図や写真、レントゲンで表しながら分かりやすく講義していただきました。また各グレードにおける手術法の選択については、グレードが進むほど骨切りなどの操作が必要となり、力学的に手術を考えることの必要性を考えさせられました。
 また獣医学領域ではあまり馴染みのない領域麻酔法に関しても講義していただきました。痛みの強い手術では硬膜外麻酔などを組み合わせることで、術後の疼痛によるストレスが軽減されます。薬剤の選択や穿刺法など、とても勉強になりました。