南が丘動物通信

4月21日 葉月会組織細胞学セミナー 11年04月21日

細胞診各論
アイデックスラボラトリー 平田 雅彦 先生

今回は、皮膚腫瘍の中の肥満細胞腫についての講義が最初にありました。犬の肥満細胞腫は3クラスに分類されて悪性度の指標になっていますが、猫ではグレード分類は行われていません。犬では肥満細胞腫によって、消化管出血が起こり、3週間から1ヶ月で、鉄欠乏性貧血が認められる事があります。また、肥満細胞血症は、腫瘍によるものでは、犬では予後不良とされていますが、猫では、相関性には乏しいです。また肥満細胞腫は、肝臓や脾臓に転移する事があります。また肥満細胞は顆粒を持つ事が特徴的ですが、通常の染色では染色されない無顆粒性肥満細胞腫もあります。そのときの腫瘍の鑑別診断は、組織球性肉腫、悪性メラノーマ、リンパ腫、未文化癌、形質細胞腫があります。また犬の肥満細胞腫は、化学療法もありますが、長期間寛解しにくく、まずは、外科療法が選択されます。
猫の肥満細胞腫は、皮膚腫瘍の中では2番目に多い腫瘍です。典型的な肥満細胞の型をとるものと、組織球様の形態をとる場合があります。犬の肥満細胞腫の違いを教わりました。
 次に、非上皮性悪性腫瘍について、教わりました。診断が困難なことが多いなかでの所見を教わりました
 最後に軟部組織肉腫についての講義がありました。
軟部組織肉腫は、軟部組織由来の肉腫を1つのカテゴリーにまとめたものです。軟部組織肉腫のグレード、転移率や、どのような細胞が認められるかを学びました。