南が丘動物通信

線維軟骨塞栓症 11年03月01日

線維軟骨塞栓症は線維軟骨と呼ばれる物質が脊髄の血管に詰まってしまうため、脊髄の虚血性壊死を引き起こす病気です。その為、症状は急性に現れることが多く、痛みのない片側の不全麻痺を特徴とします。ミニチュア・シュナウザー、コッカ-スパニエル、シェットランドシープドッグなどでの発生が多いようです。
診断にはMRI撮影が必要となりますが、確定診断には病理組織学的検査にて脊髄血管内の線維軟骨の証明が必要になります。一般臨床では犬種や症状、MRI所見から線維軟骨塞栓症を診断します。
治療は内科的に行います。発症の初期にはコハク酸メチルプレドニゾロンの投与が推奨されています。また、他の脊髄疾患と同様に理学療法が重要となります。回復は脊髄障害の範囲によって異なりますが、一般的に2週間以内に機能的な回復を示す動物の予後は良好とされています。