南が丘動物通信

基底細胞腫 10年11月09日

基底細胞は皮膚の上層(表皮)の基部に存在します。これらの細胞の良性増殖性疾患が基底細胞腫です。基底細胞腫は犬では一般的に見られ、ほとんどが良性です。一般的に犬の基底細胞腫は中齢から高齢の犬に発生します。この腫瘍は頭部(特に耳)、頸部、前肢に最もよく見られ、硬結性で孤立性のドーム状に盛り上がった腫瘤としてみられ、しばしば脱毛あるいは潰瘍化していることがあります。腫瘍の大きさは直径1cm以下のものから10cm以上のものまでさまざまです。これらの腫瘍は黒っぽくなることがあり、嚢胞を形成することもあります。診断は細胞診で可能なことが多いですが、組織検査が必要になることもあります。基底細胞腫は良性ですが、大きくなり、広範の潰瘍や二次性の炎症を起こすことがあります。また、これらの腫瘍は皮膚を損傷し、皮膚組織の壊死、滲出液または膿の漏出を起こすことがあります。外科的に摘出することで根治が期待できる腫瘍です。