南が丘動物通信

老齢犬の発作 10年06月23日

老齢犬の発作を主訴に来院される方は多く、日常診療の中でも関わる事が多い疾患です。
発作の原因は様々で、一般的には
・代謝性疾患(血液学的な異常である場合が多い)
・頭蓋内(つまり脳の)疾患
の大きく2つに分類されます。
原因次第で治療が全く異なる事から、必然的に検査項目は多くなってしまいますが、
印象としてはやはり高齢犬の場合は頭蓋内疾患である割合の方が高いと思います。

頭蓋内の疾患が強く疑われる場合、次にしなければならない検査はMRIとなります。
実際には「全身麻酔が必要」「非常に高価」等の問題もあり、ここまで臨めないケースも多いですが、
是非、比較的健康的な状態のうちに受けておきたいものです。

1度や2度の発作で命に危険が及ぶ事はあまり多くない様に感じますが、
この時点で原因を追究できれば、予後に大きな影響を及ぼす可能性があります。
上述の様に、時間がたち、状態が悪化すれば、もはや検査もできない
といった状況に陥りかねません
明らかな発作が起きた場合は、様子をみるのではなく、
なるべく早くご来院される事をお勧めいたします。